| わたしは正宗とバトルした。たくさんたくさんバトルした。 正宗といっしょだった鋼銀河とも大鳥翼選手とも天童遊選手ともバトルした。 強くなったな、って正宗に言ってもらえた。正宗にも誰にも勝てなかったけど。 わたしは正宗がいなくなってからたくさんたくさん練習した。ダンジョンジムへ通っているあいだはジムでみっちりしごかれて、HDアカデミーへ行って強くなったゼオともしょっちゅうバトルした。オセロットといっしょにがんばった。わたしは強くなった、と思っていた。 実際に、強くなった、って正宗に言ってもらえた。鋼銀河にも褒められた。 やっぱり努力は裏切らないんだね。わたし、正宗の言葉でここまでがんばれたよ。 正宗のおかげだよ。正宗が帰って来てくれて嬉しいよ。正宗、正宗。 またいっしょにこのジムでがんばろうよ、正宗! 「なあなあフェリス、世界大会見てたか? すげーだろ、オレ! 世界だぜ、世界! これで優勝したら、オレはナンバーワンになれる! オレ、日本人だけどアメリカに来て、世界にはたくさん強いブレーダーがいるって知ってたつもりだったんだ。だけど世界はオレの予想以上だった! どいつもこいつも強かった。一戦一戦が熱かったぜ。 次はアメリカ戦だな、ゼオたちとだ! 強くなってたな、ゼオ。決勝でぶつかるときがほんとうに楽しみだぜ…! あ、でも、ユーロチームもすげえ強いだろ、だからもしかしたらもしかするかもな。分かんねえ。 ユーロすげえ強かっただろ。ゲオルグもソフィとウェルズもシーザーも。でもさ、あのシーザーを銀河が倒しちまって… 銀河は強かっただろ。でもおまえもあとちょっとだったのになー。あいつ土壇場になるとすげー強くなるんだけど、そこをおまえの猫の目で何とかできたと思うんだ。今度もっかいやってみろよ! お、銀河、何だよ。あ? 別におまえの噂なんかしてねーよ! ちょっとうちのチームに負けず嫌いでうるせーやつがいるって言ってただけ! だーっもう、うるせーなー! あっち行けよ。何だと? だったらそこにあるペンもってこっち来い! これでおまえが勝ったらバトルしてやる! それから遊はいつもうるせー! おい翼、お子ちゃまつれて面倒見てくれ!」 正宗、新しい仲間ができたんだね。すごく楽しそう。 どんなときでも前を向いていて、すぐに次の新しいことを考えていた正宗がわたしは好きだよ。 だけど。 だけど。 「(正宗……あなたの心が、どこか遠くへ行ってしまった気がするよ。)」 |